アフリカで戦うサムライのお話。

モーリタニア、という国の名前を聞いて、ピンと来る方はいるだろうか?

人口たったの300万人。
日本と比較して3倍の国土を持つものの、その90%が砂漠に覆われている。
近年では都市部にまで砂漠化の被害が拡大するアフリカ西端の国。

この居住するには過酷な国に、すでに1年近くモーリタニアに居を構える1人のサムライがいる。

そう・・・

 

バッタを退治するために!

 
 
え、バッタ退治!?とか思った?
 
 

サムライとの遭遇。

 
サムライの名前は、砂漠のリアルムシキングこと、Dr.前野 浩太郎と言う。

たまたま一時帰国していた際に、とあるバーで隣り合わせになり、色々と話している中で聞いた事の無い国、しかも明らかに過酷であろう環境でバッタ退治をしているという。何、この子!?って感じで、関心はMAX。とにかく非常に興味深く、かつ面白い話が満載だったのでここで紹介しようと思いつらつらと書き進めてみたのである。
 

そもそも、バッタてどういう事さ・・・?


 
日本ではあまり知られていない事ではあるが、近年サハラ砂漠周辺のアフリカ諸国ではバッタの大量発生に悩まされており、彼はモーリタニア国立サバクトビバッタ研究所という「バッタ丸出し」の機関に属して現地で研究を行っているのだ。

しかも、すでに8年もサバクトビバッタの研究をしているというのだから、若干一般人と異なる感性を持っている方なのは間違いない。
さらに彼はサバクトビバッタに身にまとった衣服を食べられたいという願望を持っている。
まさに変態だ。
博士号まで持っているのに。

ひとたびバッタが大量発生すれば、緑という緑が食い尽くされ、田畑は荒れ、家畜が死ぬ。
食糧不足になれば治安は悪化し、国がパニックになってしまうという大きな問題である。
当然、氏は真面目に研究をしている。

しかし、変態でもある。

※参照/本人ブログ参照
砂漠のリアルムシキング「バッタの大群」

 

少し真面目に。

 
念のため、というと少しおかしいけれど、何故僕が彼を紹介したのかという点にもきちんと触れておきたいと思います。
まず、年齢が自分とさほど変わらない人が自らの好きな物であったり仕事であったり、これらと繋がりはあるものの居住するには明らかに過酷なアフリカの1つの国に飛び込んでいる。そこには人間としての打算めいたものよりも、明らかに少年時代から持ち続けてきたピュアな夢を追いかけたいという想いを強く感じます。

当然それはバッタに衣服を食べられたいという事ではなく、研究者としての大成のためであり、その結果が人のためになるという生き方に非常に感動したという点が挙げられます。

モーリタニアと日本の関係を少し補足すると、実はマダコの主要輸入先だったりするのですが、実は日本大使館は昨年出来たばかりです。
在モーリタニア邦人は15人だそうで、11人は前出の大使館に勤めており、残り4人の内の2人は恐らく商社と思われるのですが、1人は漁業関係で1人は経済関係の仕事をしているそうです。そして1人はバッタを追いかけており、1人はアメリカ大使館にいるアメリカ人の嫁。

そんな環境。

研究がうまくいけば、何年かに1度起こるバッタの大量発生による飢饉を防ぐ事が出来る。こんなチャレンジをしている人をサムライと呼ばずになんと呼ぶのだろうか。

またモーリタニアでは少女を強制的に肥満化させる風習があったらしいのですが、これはいまだに美の意識として根付いているようで、多くの女性がいまだに太ろうとしていたり男性はそれらを好んでいたり。
日本とかなり違う興味深い慣習が色々と存在しています。

Dr.前野の視点もまた面白く、これらはブログでも垣間見る事は出来ますが、これらにエンタメ色を付けて「ここが変だよモーリタニア人」的な内容でコミカライズしつつ、研究の事に触れたりバッタ問題についての認知を広げるような事は出来るのではないだろうかなどと考えている訳です。

現在、彼は片道切符でアフリカへ行っている。
バッタを退治するという観点からは、立ち位置は完全にショッカーである。

しかし、その敵に最高の愛を持って挑んでいる。
引き続き、応援してみたいと思うではないか。

 

自分に許された任期は2年間。その間に成果を出さなければならないのです。

論文を出したからといって就職が確実に決まるわけではないのですが、

論文を出さなければ、確実に路頭に迷う運命に置かれています。

2年後の予定はまったくありません。

実は、片道切符でアフリカに来ています。


 

※参照/本人ブログ参照
砂漠のリアルムシキング「自分の夢をかなえるために」

-後日追記-
国土が日本の300倍と記載しておりましたが、実際には3倍でした。
修正し、謹んでお詫び申し上げます。

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