2010年10月15日 全体朝礼より

 恐らく世間一般からすれば恵まれているんだろうけれど、アイディールのスタッフの中で「勤めていた会社の倒産」を経験した事がある者はいない。
 僕自身は、自分が勤めていた会社が後日「吸収」などの形で無くなるという経験を2度していて、さらに当時勤めていた会社のグループカンパニーが「清算」された時を目の当たりにした事がある。
 ちょっとその時の話を書きたいと思う。
 その会社は、某大手家電メーカーと某キャリア関連子会社がそれぞれ大株主として出資しているフリーペーパーを生業にする会社だった。
 当時はHotpepperが創刊されてから1年経つか経たないかという時期で、R25もまだ創刊されていない頃。最近はフリーペーパーについて疎くなっているので正確な数値面の比較は出来ないが、感覚的に今よりもタウン系情報フリーペーパーの種類も多かったように思う。
 お金の無い当時の僕は食事をするにも髪を切るにも毎回各誌に掲載されているクーポンを使っていた事を思い出す。
 件のフリーペーパーは、当時の各誌と比較をしても「情報掲載」の分量が多く、「紙質」にもこだわり、毎号有名人のインタビュー記事を掲載するなど、一般的な雑誌と比較をしてもそれなりのものを作っていたんじゃないだろうか。
 しかし、「紙質」へのこだわりはコストを底上げし、さらには中身のクオリティにこだわる余り広告エリアに制限が産まれ、ほぼ100%を広告収益に頼らざるを得ないフリーペーパーのビジネス構造を考えるとなかなか苦しい経営状況だったのではないかと思う。
 とは言え、同じ某大手家電メーカーのグループ会社同士という事や、僕が属していモバイル系のソリューション会社とフリーペーパー×モバイルのパッケージソリューションを作った事もあり、数ある兄弟会社の中では割とよく一緒に行動する事も多かった。
 そんな中での「突然」の出来事だった。
 ※以降は、後日某社に勤めていた友人から聞いた話。
 ある朝出勤すると、入り口にガードマンが立っている。
 何だろう?と不思議に思っていると「今日は各自の荷物をまとめて、午前中で帰宅するように」と言われたという。
 聞けば、会社は倒産したと言う。
 今日までの給与は後日支払われると言う。
 何が何だか分からない。
 詳細が分かる人は誰もいない。
 1週間以上役員陣も捕まらない状態が続く。
 何が何だか分からないまま。
 本当の所は分からないが、後日某大手家電メーカー側もほぼ何も知らされない状況での計画的な清算だった可能性を風の噂に聞いた。
 その後、出資比率30%程度にも関わらず、某大手家電メーカー側が従業員の再就職先を探し、事後の処理にあたりいつしかこの時の事は風化していった。
 一般的な感覚からすれば、某大手家電メーカーと某キャリア関連子会社の出資で出来た会社なので、倒産というキーワードは想像しにくかったはずだ。僕自身、当時は非常に驚いた。
 今でこそ、これはどんな大きな会社にだって起こりえる事なんだと知っているけれど。
 この時に感じた事。
 それは、こういう事が起きる時、従業員の子達にとってはいつだって「突然」だという事。
 恐らく某社に勤めていた子達は「今日はあれを進めておこう」だとか「あれをやらないと」だとか、色々と仕事の事を考えて出勤してきたはずだ。
 しかし、それを行う場は突然無くなった。
 10月の全体朝礼で、僕はこのエピソードを交えて「こういう事は決して対岸の火事なんかじゃない。だから、毎日の仕事を後悔しないようにやって欲しい」という事を伝えた。
 明日やろうと思っていた事が奪われるかもしれない。それが、どう作用するのかは分からないけれど、それがもし少しでも自分のやりたいと思っている事だったら?
 だからこそ、それぞれ仕事を通じて表現したい事を早く見つけて欲しいと思うし、それをどんどんアウトプットしていく努力を続けて欲しい。
 創業から約3年半。右も左も分からない状態で必死に走ってきて、少しずつ企業としての体裁を整えようとしている今はまだ、そこまで大きな事は出来ないかもしれない。
 だけど、少しずつ日々のインプットやアウトプットの繰り返しで、さらに優れたビジネスプロフェッショナルに成長していって欲しいと心から願っている。
 「後悔」するくらいなら、思い切ってやってしまった方が、絶対にいい。
 見逃し三振するなら、思い切ってバット振ってみろ!
 みんな頑張れ!>中の子達

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