2010年9月22日 瀬戸内国際芸術祭2010

この連休を使って、かねてから行きたかった「瀬戸内国際芸術祭2010」に参加してきた。
瀬戸内国際芸術祭2010 公式ウェブサイト
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 メディアでも盛んに取り上げられ、この取り組み自体が1つの表現の可能性として議論されているため、ご存知の方も多いと思うが、僕なりの雑感をまとめておきたいと思う。
 すでに40万人以上の観光客が訪れており、町興しとしての一面からすれば大成功のプロジェクトだと思う。
 ただ、実際に島に訪れると地元住民の戸惑いのようなものが垣間見えたのも事実であり、朝から騒がしくて落ち着かないとこぼすおばあちゃんや、ワシらにはなんも関係あらへんと笑う精錬場所のおじさん。高松のタクシー運転手さんに限っては、最大の目玉とも言える地中美術館には行った事すら無いと言う。
 町興しにはこのような温度差は、往々にして生まれるものかもしれないが、少なくとも観光客慣れしていない空気は強く感じたのである。
 予想以上に観光客数が伸びたという事もあるだろうが、昼前に訪れた男木島では島中で昼食の類が完全に無くなってしまい、しかも飲食店が一切無いと言う状況にも遭遇した。
 元々飲食店など必要とされなかった島なのである。
 関連した話題では、こんなエピソードもある。
 弘法大師(空海)ゆかりの札所八十八箇所を廻る「遍路」。一般的には四国地方を廻るもので、これは大四国と呼ばれている。しかし、小豆島にも八十八箇所があり、これは島四国と呼ばれているそう。
 島四国を廻る時には、それぞれ宿泊した旅館や民宿にオニギリなどのお弁当を用意して貰うのがよくあるスタイルだそうで、瀬戸内にある島の中でも最大の小豆島ですら飲食店の少なさを物語っている。
 例えば、地元の郷土料理を安く食べるという事は、観光の大きな醍醐味でもある。
 しかし、結論から言うと、そういった物を食べる機会にはまったくと言っていいほど恵まれなかったのだ。なんというか、勿体ない。お祭りらしく、目に付くのはカレーや焼きそばばかり。
 しかし、アートは「1つしかない=そこでしか見れない」というベネフィットが産めるため、町興しには有効な手段の一つになり得る事は間違いないと痛感した。少なくとも直島で行われているアートサイトがきっかけになって、新たな住人と訪問客が増えている。
 つまり福武總一郎氏が掲げる「現代アートを活用した地域作り」という面においては、一定の成果を挙げていると言える。
 後は、昔から根付いた地域住民達との温度差を埋められるかどうかが、これから必要な努力なのかもしれない。
 また、展示されている作品については、正直どれも素晴らしいものばかり。
 地中美術館では安藤忠雄氏の作り上げたとてもコンセプチュアルで美しい建築物の中に、クロード・モネの睡蓮に続く道が用意されている。モネの睡蓮が目に入ってきた瞬間の光景が脳裏に焼き付いて離れないほど美しいものだった。
 さらにランド・アートでも第一人者のジェームズ・タレル氏のあらゆる光の表現に新たな発見があり、コンセプチュアル・アートの「もの派」の中心人物である李禹煥氏と安藤忠雄氏のコラボレーションはエネルギーに溢れていた。
 その他、各島中に点在するアート作品の一部は、昨日のTwitterのツイートを引用しておこうと思う。

16:21
銭湯で体感型アート。現代アートが日本の文化と融合。 http://plixi.com/p/46303814
2010/09/21 Tue 16:21 From Echofon
16:23
やっぱり草間彌生のパワーは凄かった。 http://plixi.com/p/46304025
2010/09/21 Tue 16:23 From Echofon
16:27
鬼と共に生きる島を風見鶏が見守る。 http://plixi.com/p/46304280
2010/09/21 Tue 16:27 From Echofon
16:29
石垣の中にもまた生活が存在している。 http://plixi.com/p/46304487
2010/09/21 Tue 16:29 From Echofon
16:31
自らの生きてきた証が年輪を作り上げて行く。 http://plixi.com/p/46304630
2010/09/21 Tue 16:31 From Echofon
16:33
あらゆる言葉が記号化された時に新しい表現が生まれる。 http://plixi.com/p/46304747
2010/09/21 Tue 16:33 From Echofon
16:35
記憶の再生。整然された混沌。 http://plixi.com/p/46304902
2010/09/21 Tue 16:35 From Echofon

 芸術祭自体の開催は、残り約1ヶ月。これらの現代アートが自然と歴史の伴った文化を作り上げ、そして固定化していけるかどうか。このような試みを心から応援していきたいと思う。
 やっぱりアートだとか、クリエイティブだとか、作り上げられた崇高な作品は面白い!

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