2010年6月7日 遺るコンテンツ。
最近とある方からも労をねぎらって頂いたのだが、アイディールは数値化するのが難しいクリエイティブやコンテンツを生業にしていて、大変ですよね。と。
そもそも、コンテンツが100%ヒットするかどうか、というのは誰にも分からない。
大手出版社の編集者でも、例えば任天堂やディズニーですら、経験やマーケティングデータから導き出した知見があったとしても、最後はプロデューサーたる立場の人間の「勘」に頼ることになる。
※任天堂決算説明会の質疑応答より取締役社長 岩田 聡氏の言葉を抜粋「ソフト開発の宮本と私が最終的に目利きをして、打率を一定以上に保つことで、任天堂は世界中で売れるタイトルを毎年複数、市場に提案し続けることができて いると思っています」
つまり、上手いラーメンを作ってれば客は来る、というマーケティング概念の欠如した考え方ではやっぱりビジネスはうまくいかないし、「良いコンテンツを作る会社」と「コンテンツで儲かっている会社」は必ずしもイコールではないという前提の元、それでも最後に頼るべきは自らの「勘」であるという不確実性の高いマーケットであるという事。
その中で勝負しようとしているのは、確かにとても大変な事だ。
では、その打率を高めるためにやるべき事は何か。
それは、いかに歴史から学ぶかという点に尽きると思う。
当たるも八卦当たらぬも八卦のコンテンツマーケットにおいて、企画段階でなるべくそれが外れないようにするための努力を欠かさない。
そして、次に何が来るのかじっくり考えること。
コンテンツを産む際に気をつけなければいけない事は、本当にたくさんあると思う。
ここで僕が掲げたいのは、下記の6つのポイント。
これらを全て高レベルで維持したい。
「テーマの正しさ」
「ストーリーの斬新さ」
「キャラクターや俳優など登場人物の魅力(演技力など)」
「映像の美しさ」
「音楽諸々の演出の良し悪し」
「クリエイターの魂」
こうやって書いてみると、改めてトムとジェリーがいかに優れたコンテンツであるか分かってくる。
プラットフォームもコンテンツも消費の回転が早いという特徴が産まれているのは、消費者が選択した事ではなく、サービスプロバイダーがそういう状況を作ってきたのではないだろうか。
とは言えすでにそういう状況ならば、一定以上の個数のコンテンツを投下していく事も大事だと思うけれど、1つ1つを安売りするのではなく苦しんで産み出したコンテンツで勝負していきたいと思うし、他のベンダー各社にもそうあって欲しいと思う。
それは恐らく健全に業界を伸ばしていくためにとても重要な事だから。
それにしても、今更ながら自ら信じた道をとことん追求してエンタメコンテンツに魂を注いできたウォルト・ディズニーの気迫を感じる。
もし彼が生きていたら、今のようにコンテンツが付けっぱなしのテレビみたいに消費されるのを大いに嘆くのかもしれない。
