2015年新卒入社式の祝辞

2015年4月、当社で初の新卒が入社しました。その際の祝辞を。

Yさん、まずは数ある企業の中からアイディールに入社をしてくれた事、メンバーを代表して歓迎したいと思います。

 

今日から、社会人としての第一歩を踏み出すにあたり、今の希望や不安などが入り乱れた新鮮な気持ちを大切にして、これからの会社生活の中で色んな経験を積んで、より素晴らしい社会人になっていける事を心から祈っています。

 

アイディールとしても創業から9期目にして初の新卒を迎え入れる事が出来ました。

新卒を雇用するという事は、どういう事か分かりますか?

 

まず誤解を恐れずに言えば、このように雇用を出来るという事は単純にそれが出来る体力があるという事でもあります。

 

ここ数年で日本だけでなく世界でも経済の流れを本当に大きく変化させる色々な事が起こっています。例えば、東北大震災、リーマンショック、欧州危機やアラブの春であるとか。

アイディールの業務には直接的に関わりが薄いように見えるこれらの事も、大きく見れば当社のクライアントが不調になれば影響が出る事や、特にIT業界の変化としてのスマホ化という大きな流れに乗りきれなかったアイディールはこの3年間くらいは非常に厳しい時期を過ごしたのもまだ既存メンバーも記憶に新しいと思います。

 

しかしちょうど1年前にはこのまま手を打たなければ、会社が倒産する可能性があった中で、打開策に対してそれぞれが真摯に向き合い、人によっては会社の指示で他社に出向に出て、人によっては何とか1円でも稼ごうだとか、人によっては無駄を排除しようだとか、それぞれがこの1年間で頑張ってくれたお蔭で今日の日がある訳です。

つまり、たったの1年でそういう体力が戻ったという事、これは既存メンバーは誇りに思って欲しい事です。

 

会社の波はその企業の規模に関わらず、必ず起こる事です。

 

しかしアイディールは、現在の企業規模や社風から、あらゆる事を変化させる事が出来やすいと言えます。

だからこそ、苦しんだ経験を元に会社の在り方を再定義して、結果として昨年新たな企業フィロソフィーとして「価値を創る。」という言葉も生まれました。

 

そこで今日はこの入社式を迎えるにあたって、自分から改めて企業フィロソフィーについてきちんと理解をしておいて欲しいという話と、新卒のYさんにはこれから仕事をするにあたって、覚えていて欲しい事を2つ、全部で3つの話をしたいと思います。

 

まず「価値を創る。」という言葉について。

 

世の中の仕事は、IT化によって今後10年20年でかなりの種類がなくなると言われています。例えば雇用に関しては二極化。中間レベルの教育やスキルの人への需要は明らかに減少していくと予想されています。

事実、アイディールの基本業務であるクリエイティブの受託制作は、大昔はクリエイターを抱える制作会社に発注するのが当たり前だった時代から、ピクシブで絵師を探して直接発注したり、クラウドソーシングのようなサービスで雇用や直接契約すらせずに納品物を得られる時代になっています。

また、海外事業部の中国卸の事業についても、本質を語ってしまえば物の流通や販売に一切の人間は必要ない訳です。

 

こういう未来図について、自分のスタンスは肯定でも否定でもありません。

何故なら、まずこういう未来は防ごうとしても必ず起きてしまうからです。

 

では、アイディールで働いているメンバーたちはどうなるのか、という議論になれば、ここは価値ある人間であれば食うには困らないから心配するなという持論を伝えたいと思っています。

 

どんなにIT化されても人間が創り出す感情的なアプローチを超えるのは、少なくとも自分たちが生きている間には起こらないと思います。

 

つまり自分達の組織に対価を払ってくれるお客様やクライアントに価値のある存在であれば、必ず生きていけるという事です。

大小問わず、自分に本当に価値を感じてくれる人を増やしていくという事そのものが、結果として今のアイディールにとっても価値になるし、各自が将来食うに困らない価値になる訳です。

 

実はその人じゃないといけないという価値は、それこそファンと言える訳で、自分の仕事の先にどれだけそういう人がいるのかを考えながら仕事をしていって欲しいと思います。

自分が信頼していて、そして自分が信頼されているという関係を大小問わずにどれだけ作っていけるか。という事です。

 

 

次にここからは特に新卒のYさんに向けた2つの話ですが、一般論的に言えばほとんどのケースで人は長く働き続ける事を求められます。

宝くじが当たっただとか、起業してエグジットして引退だとか、そんなケースはほとんどの人には起こりません。

 

つまり長い目で見て、今目の前にある退屈なルーチンワークですら、将来のためにあるという事です。平凡で当たり前の事が積み重ねられるようになり、それが土台になってこそ将来大きな事が出来るという事です。

例えば、それは大きな仕事という意味だけではなく、自分が好きなことを好きなようにやっていくと言う事も、やはり一般論的には実はすごく大きな事だという事です。

 

自由という対価は、膨大に積み上げられた土台の上でこそ始めて成り立ちます。

 

最後の1つとしては、自分自身の座右の銘を送りたいと思います。

「暗いと不平を言うよりも進んで明かりをつけましょう。」

これは聖書の一説らしいけれど、自分の10代からの座右の銘になっています。

 

仕事をしていたら通常はつまらない事や退屈な事、それにうまくいかずに腹が立ったり、焦ったり、失敗して落ち込んだり、マイナスに働くような事は本当にたくさん起こると思います。

 

けれど、それを他己責任にして仕組みを見直したり、相手の気持ちに立って変えていく努力をしていなければ、君のいる部屋はいつまで経っても暗いままです。

 

不平不満は自分でまず率先して明かりをつける。

反省している暇があれば、灯りのスイッチを入れる。

 

こういう問題を解決していく能力は1年や2年では難しい事かもしれないけれど、自分ならどうするかを考えたり、人に意見を聞いたりして、いつか灯りのスイッチの場所も知れるし、付け方も分かるはずです。

 

つまり、主体性を持って、明るく元気に前向きに進んでいくという事に他ならないと思います。

 

ここから数年でアイディールはさらにすごいスピードで変化していくと思います。

大変な事も多いと思うけれど、逆に言うと楽しい事や自分の身や力になる事も多く起こるという事です。

 

新卒採用としては、3次選考まで進み1つの学校の唯一採用されたメンバーとして誇りと自信、それと責任を持って、周囲のメンバーと力を合わせて社会人生活を過ごしていって欲しいと思います。

 

Yさんの入社を心から祝福し、歓迎の挨拶としたいと思います。

 

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