5期目のまっただ中、2012年を迎えて想う事。

新年のご挨拶を申し上げます。

本日より株式会社アイディールは2012年の営業を開始致しました。
朝一には、毎年恒例の全社員参加で明治神宮へのお参りと本年の社運隆昌を祈願して参りました。

自分自身、一介の社長として年末に2011年の振り返りを記そうかとも思いましたが、何しろ色々とあった1年だった事や、ともすれば余りに月並みな内容になってしまう事を恐れてズルズルとこんなタイミングになってしまいました。

ウェブサイトをリニューアルしました!とか、こんなサービスを始めました!だとか言うのは余り書きたくなかった訳です。
なるべく自分の気持ちが伝わるように。そう祈って書きました。

 

まずは振り返ってみて

 

直接的に言うと2011年は自分の経営者としての未熟さを痛感する年だったように思います。

一旦は3月11日に僕自身がどういう動きをしていたか。どんな事を考えていたかを書こうと長々と物語り然とした時系列を打ち込んでみたりはしましたが、今更それは何も意味をなさないなと思い全てを消してしまいました。少なくとも僕自身の人生においてあんな大きな事は始めて起こり、しかも今回は指示を待つ立場ではなく、こちらが道を示さなければならない立場だった際に、正しい意志決定をしてこれたのだろうかと自問自答してきましたが、結論として自分自身も納得出来るものではなかったなぁと思い返してみたりします。

この流れで現在のアイディールの規模からは不釣り合いな災害マニュアルが出来上がったり、これはまぁ本質論なんかではないけれど、言ってしまえば弊社の掲げる経営6原則にもある「常に、従業員全員の声を聞く。正す。死んでも守る。」というものから幾分外れてしまったのではないかと感じている訳です。

しかし9月に東京に大型台風が直撃した際には、各社が従業員を帰すかどうか検討するよりも前に帰宅令を出す事が出来たのは(約1名ののんびり屋さんが結局足止めを喰らい、夜まで会社に残る結果にはなってしまいましたが・・・)間違いなくそれまでの反省から繋がってきたと思っています。

 

そして変化の始まり

 

震災以降、日本は間違いなく変化が始まっています。これは多くの人達が同じように感じていると思います。

アルファブロガーのちきりん氏が 世界は分断されている と言うように、今の日本は様々な生活様式やレベル、そして考え方を持つ人々で形成されています。
ただ、大きな困難が起こった際に「全員で力を合わせてより良い方向に向かっていこうよ」という最大公約数としての意識が産まれるのはこの国の民族のとても素敵な所だなぁと感じたりはするものの、ことビジネスにおいてはすでに最大公約数を狙うマーケティングは時代遅れと化しています。

インターネット業界の中でも特にモバイル業界においては、割と小さな規模での「稼ぐ」方法というのはある程度確立されていたというのは我々の考えでもあり、基本に忠実に、そして真摯にやれば一定の規模まで会社を成長させる事はさほど難しい事ではなかったように思います。

現に我々も小さいながらセオリーのいくつかを押さえながら、なんとか5年目を迎える事が出来ました。
来年の4月には早いもので6年目が始まります。

しかし震災以降、ガラケーと呼ばれるモバイル業界の雄でもあったいくつかのコンテンツプロバイダーは厳しい状況が加速し始めています。1つは世の風潮としてこんなご時世にエンターテイメントなる衣食住に関わらない物に毎月お金を払うなんざムダ使いの骨頂でござる。というのもあるでしょうし、1つは保有端末がスマートフォンに急加速しているという事もあると思います。

念のため書き添えておくと、モバイル業界の中でも非常に潤っている一部のソーシャルアプリ関連の企業でも大半はガラケーの売上が締めている。とか、エンターテイメントが衣食住を超えた力を持つ可能性を信じている、といった話もありますが、これは本筋から逸れてしまうため今回は割愛したいと思います。

1つ言いたい事は、震災以降ビジネス構造がよりマスから個に移り変わってきているんだろうなぁという事です。

とある経営者の方に言わせれば「スマホ元年」という事になるようですが、すでに13年もモバイル業界にいる身からするとiモード黎明期と比較をしてどれほど稼ぐ事が困難になっているかという点を見て見ないフリをしているように感じます。女性や地方在住者のスマホの評判の悪さと言ったらどれほどのもんだ、って話もありますし。

当然不況でも業績を伸ばせる企業は存在している訳ですが、経済はそれなりのパイの人達が潤うことで波及効果が産まれる事を考えれば、どこか少ない会社だけが勝つ構造より全員で潤っていく方がいいはずです。当然「100%は無い」という前提はあるにせよ。
特にこれは自分自身があまり勝ち負けという発想に向かっていかないパーソナリティを持っているからかもしれませんが。

少なくとも今後はよりターゲットを明確にした事業構築が必要になってくると思います。
収益力の高いSAPさんがデイリーで2度も3度もソーシャルアプリのチューニングを行っているのは1つの好例だと思います。

 

器を大きくするという事。

 

2011年の反省点としては、トップとしてドラスティックでスピーディーな意志決定が出来ていなかったのではないか、という点に尽きます。
台風の時のように経験をした事に対してはある程度スピーディーに動けたとしても、恐らく本年も色々な事が起こると思います。これは未来永劫、自分が社長業である以上ずっと続く事だと思います。

その度その度、後で「失敗したなぁ」などと言っているようでは、僕を信じて着いてきてくれている従業員にもお世話になっている周囲の皆様にも正直申し訳なくて仕方ない訳です。

会社の規模は社長の器。

自分が成長しなければきっと会社は成長しない。
ここから会社が急成長するドラスティックな改革がまだ見極めきれていないという課題はあるものの、それでもいくつかある候補の中から効能や即効性がより高い物からどんどん進めていきたい。

そのために自分自身ももっとストイックになる年になろうと思います。

  • 起業以来、忙殺されて低下した読書量を元に戻す。まずは月間最低5冊>少なっ!でも今はもっと少ない・・・。
  • 最低週2時間の中国語と英語の学習>中国語は普通に話せます☆英語も始める。そしたら世界中の人と話せるようになる。
  • 最低3ヵ国(中国除く)のフィールドスタディを実施する>特にまだ行った事のないヨーロッパ圏なども。

そして、会社としては。

  • 地上波のアニメーション制作に携わる。
  • 大きく儲からなくていいので、ジャパニッシュのようなちょっと尖ったメディアを創る
  • 最低5名から10名程度、日本側の従業員を増やす。
  • 海外事業を抜本的に改革する。
  • 資本政策を抜本的に見直す。

辺りを積極的に攻めていこうと思います。
来期の計画についてはこれから詰めていく事になるので、会社としての目標を掲げるには「1年の計は元旦にあり」的な事を言うならばちょっと早計。会社としての新年は4月。

なお、私的な目標についてではありますが、すでに1ヵ国目達成という事で、早速明日の夜から初のシンガポール出張に行ってくる予定になっております。
かねてよりシンガポールでは中国語が通じるとの噂を聞いた事があるのですが、これは当社の強みの1つでもあり、どの程度通じるのかも見てきたいと思います。

いずれにしても、今年はより周囲の皆様に価値ある存在になれるよう従業員一同尽力して参りたいと考えております。
2012年のアイディールも何卒よろしくお願い申し上げます。

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