買いたいけどどうしよう…と悩む中国人消費者の背中を押すサービス2+1選

2015年頃から立ち上がり、まだ日本国内では注目度は低いのですが、今注目の中国ECのサービスがあります。

それは「花唄」と名付けられた、ネット決済大手のアリペイ(支付宝)が提供する「個人向けクレジット業務」です。

EC大手の京東(JD)社も同じく「白条」という名の個人向けクレジット業務を提供していますが、両社が中国ECで提供しているものはいわゆる「分割払い」です。

 

元々銀行やクレジットカード会社も「後払い」や「分割払い」を提供していましたが、中国ではそもそも先払いが基本の文化で、しかもクレジットカードが作れない消費者が多かった中、オンライン企業がECに最適化された信用取引を提供してきたという事になります。

 

すでに台湾ではこのような分割払いは利用者を急激に伸ばしていますが、中国大陸ではどうなのでしょうか。

 

まずはそれぞれのサービスを簡単に比較しながらご紹介します。

 

 

<情報出展>

・中国証券網

http://news.cnstock.com/industry,cyqb-197001-3940533.htm

・百度百科事

http://baike.baidu.com/item/花呗/16499878

http://baike.baidu.com/item/京东白条

・蚂蚁金融サービス

http://media.antgroup.com/article/news?category=花呗

・sina ファイナンス

http://finance.sina.com.cn/stock/t/20140927/020820428218.shtml

 

 

中国で先払いが基本だった背景は説明するまでもありませんが、率直に言えばそこに信用が存在する取引ではなかったからです。

 

ではそれを第三者が算定して、その信用を客観的な物にしたらどうか、と立ち上がったのが「芝麻信用」です。実は前述の「花唄」は、この「芝麻信用」と組み合わさる事で最強の決済プラットフォームになっていると言えます。

 

「芝麻信用」はアリペイを提供するアリババのグループ会社で、アリペイの使用履歴などのビッグデータを元に機械学習によって信用ランクを自動発行するサービスです。

300点から950点までのスコアがあり、個人情報の開示/ソーシャルグラフ(人との繋がり)/支払い・返済能力/過去の信用情報/行動などを元に算出されており、特にソーシャルグラフまでもが信用スコアに換算される所は、日本ではまるで馴染みのない方向性のサービスだと思います。

 

前述の分割払いの場合、600点以上のユーザーのみが使用できるなどの他、点数によって様々な便益を受けることができるようになるため、若者の間ではこの点数を自慢したり競い合うなどの現象も起こっています。

 

また、このような信用のビッグデータ解析サービスについては、アリババ社以外にも複数社が運営しており、今後はどこのデータが最も整合性が高いのか。などの議論が産まれていくものと思われます。

 

いずれにしても日本製の商品は地場メーカーと比べると、品質やサポートなどのクオリティはさておき、価格面だけで言うと(貿易コストも加味され)どうしても高額になっていきます。

高額な値付けに対して納得感があるような品質があれば、必ず中国消費者もそれを欲しいと考えるようになります。しかし購入するかどうか悩む…という場合には、このような分割払いは非常に有効であると言わざるを得ません。

 

日本でもジャパネットたかたが分割手数料を負担してお客様に購入しやすい環境を作っていますが、同じように支払い方法をあえて分割払い中心にするなど、まだまだ中国では様々なマーケティング手法が考えられると思います。