中国越境ECにおける化粧品販売の規制緩和をチェック。

すでにいくつかのメディアでも告知がされていますが、3月より上海・浦東新区において一部の化粧品輸入が審査制から届出制として試行運用が開始されました。

◎中国越境ECにおける化粧品販売の規制緩和

 

大元となるCFDA 2017年第7号「上海市浦東新区における非特種用途化粧品の記録管理の試験運用に関する公告」( http://www.sda.gov.cn/WS01/CL0087/168637.html )は2017年1月に告示されており、その概要をまとめると、上海市浦東新区において、2017年3月1日~2018年12月21日の期間、上海市浦東新区に登記した企業が一般化粧品を初回輸入する際に「許可制」から「届け出制」へ変更を試験運用するといった内容となります。

 

◎対象の商品

今回対象となっている非特種用途化粧品

スキンケア、メイクアップ、髪用、指用、香り用が指定されています。

※従来通りの特殊用途には、育毛、毛染め、脱毛、消臭、日焼け止め等

出典:https://www.jetro.go.jp/biznews/2017/03/c686f9ab3cbad7a3.html

 

◎これまでとの違い

従来、中国へ化粧品類を始めて貿易(一般貿易/越境EC共に)する場合、CFDAより一般貿易審査を受け輸入化粧品衛生許可証を取る必要がありました。

 

これは2016年4月8日に取得が義務化。

2016年5月25日に、2017年の5月11日までの猶予期間を発表。

現在はすでに2017年末までさらに猶予期間の延長が発表されています。

 

従来の商慣習上においては越境ECかつ直送モデルを取っている多くの事業者はほとんどが許可証は取らずに実施されています。しかし許可証が義務化された事や、この輸入化粧品衛生許可証を取る事で一般貿易として実店舗での販売などが認められるため、CFDAには相当量の許可申請が来ているものと考えられます。

恐らくこれらの申請を捌ききれない事から、非特種用途化粧品においては審査制から届け出制への規制緩和を行ったと見ていますが、この事実上の規制緩和は中国越境EC市場において海外化粧品については非常に追い風であると言えると思います。

 

 

◎中国越境EC市場における海外化粧品の状況

2015年までのTmall(天猫)国際におけるカテゴリごとの売上ランキングは、1位はベビーマタニティですが、化粧品類はほぼ変わらないシェアで2位につけており、2016年から2017年にかけてはすでに海外化粧品は1位となっており、圧倒的に人気のカテゴリと言えます。

 

これは中国人消費者の意識や文化の変化、それに購買層が低年齢層化している事も理由と考えられます。

ただ、このカテゴリで売上の主たる商品はスキンケアなどの基礎化粧で、メイクに関してはまさに現在急激に成長している分野です。

それゆえに、中国のインターネットテレビではメイクアップの番組などが非常に人気を博しています。

 

 

今回の制度については細かい部分でまだ未確定な事も多く、ある程度今後も変更されていく可能性もありますが、大きく言える事はこのように中国でも規制緩和はきちんと起きており、特に日本の化粧品類については追い風になっている事であると思います。