日本メーカーの中国でのブランド作りの重要性_その2

前回のコラム(当社コラム:日本メーカーの中国でのブランド作りの重要性_その1 )で、日本のメーカー企業が中国国内において謙虚にブランド作りを行っていく事の重要性について書かせて頂きました。

 

今週は、その具体的な実践アイデアについて、一部まとめたいと思います。

◎品質について

当然のことながら、品質については最大のブランドになります。

これは偽物や粗悪な商品と常に接してきた中国だからこそ、日本以上にプライオリティを持っていると考えてください。

特にMade in JAPANならば、尚更、求められるクオリティが上がるため、その落差は非常に大きな失望を与えてしまいます。

 

つまり、消費者からの苦情やアラートについて、その事象について(現在の生産の都合上)どうしようもないし大目に見て欲しいと軽んじていると、あっという間にブランドは信頼を失い、二度と中国消費者はその商品を選択する事はなくなってしまいます。

 

特にECの場合、他の店舗との差別化は商品展開やサービス面が主立ったものになるため、バイヤーが必死で選んだ商材が消費者から粗悪だと指摘された場合、それは死活問題なのです。

 

そのため、アイディールが扱っている商材はこれらの観点から一定の取扱いの制限を行っており、「本当に良い日本製品を扱う」事を重要なルールとしています。

 

◎認知について

次に(前回のコラムでも投稿した通り)「その商品は、競合が多いにも関わらず、中国ではまったく知られていない」事を前提に考えなければいけません。

これだけ購買力が高くなった国で「売られていない」物はありません。つまり、それだけ競合との戦いも激しくなっている事を意識する必要があります。

 

そこで、検索エンジンへの対策としても「メーカーサイトや商品サイトの中国語化」が重要で、「知って貰える機会」を失わないようにしなければいけません。

例えばこの検索エンジンへの対策としては、中国のQ&Aサイトや口コミサイトへのレビューや、使用動画など、消費者が客観的な判断が下せるようなコンテンツをちりばめる所から始めるべきです。

 

このような「受け皿」を用意した上で、インフルエンサー(網紅:ワンホン)マーケティングなどで、第三者的目線によって広める事で効果が倍増していきます。

 

その他、アイディールが普段メーカー様にお話ししている事は「日本国内における戦略的な売り場作り」と「力が弱まっていると言われつつも、中国ではまだまだテレビの力は大きい」という点です。

 

1つ目のポイントは、「日本に旅行に来た方たちが実際に目にする機会を創る」という事で、まずは彼らがどんな場所でどんな買い方をしているのかを知り、そこに商品を供給する事でその機会を増やしていくという動きです。

 

2つ目のポイントは、「ネット上だけでなくリアルメディアによる認知と掛け合わせる事で情報の信頼性が飛躍的に上がる」という事で、戦略的にテレビ局との共同販売などを仕掛けていき、このような環境を作っていく動きです。

 

◎商品群について

アイテム数が多くそこに一貫性がない場合(そのメーカーや商品の圧倒的な強み=品質がない場合)は、どうしても薄利多売の戦略を目指していかざるを得なくなります。

 

どの商品で、どう戦うのか、をまずは考え、いっそ1アイテムで開始する事も良いと思います。一点集中で、商品を通じてメーカー名が認知されれば、次からの戦い方がグッと楽になってきます。

 

アイディールでは、商品の取り扱い時の目利きに際して「安心、安全、独創性」があるかどうかを重要視しています。

つまりこれはイコール「商品販売時におけるストーリーの作りやすさ」でもあり、これがあるのかないのかでは「消費者の心への刺さり具合」も大きく異なってくる訳です。

 

◎その他

細かいながら、重要な点はまだまだあります。

 

ポイントの列挙だけに留めますが、

  • ファン組織をいかに作るか。
  • 商品写真をどう見せるか。
  • ECモールの運営とはどう付き合っていくか。
  • チャットはどう対応するか。
  • 苦情、クレームに対するホスピタリティをどう磨くか。
  • 中国政府の方針をいかに大事にするか。

などになります…。

 

いずれにしてもブランドを作るという事は、そんな簡単に、そして短時間で出来る事ではありません

中国は、世界最大の市場であるがゆえに、競合は世界中から目を向けています。

短期的な成功に焦らず、派手さがなくともじっくりブランド作りをしていって頂ければと思っております。

 

<関連コラム>

日本メーカーの中国でのブランド作りの重要性_その1