2017年中国EC市場の大胆予想
新年明けましておめでとうございます。本年も変わらずご厚情賜れますよう心からお願い申し上げます。
2017年は酉年という事で中国との貿易や越境EC界隈のマーケットがより上に羽ばたいていけるよう心よりお祈り申し上げます。
さて、2017年第一弾の中国ECコラムという事で、今年の中国EC市場について大胆に(他のメディアでは書かれないような)予想をしていきたいと思います。
◎中国越境EC市場への中堅企業の進出
2016年は越境EC元年と呼ばれる事が多く(実際、今のプレイヤーのほとんどは数年前から始めてるんですけどね!)大手企業の進出も目立つ1年でした。
進出方法の1つとして、中国ECモールへの出店は非常にメジャーな手段でもありますが、
業界1位の天猫(Tmall)はすでに2015年頃から出店ハードルが高くなっており、どうしても知名度の劣る中堅企業はTmallへの進出が非常に難しくなってきていました。
昨年までは比較的スムーズに審査通過していた第2位モールの京東(JD)についても、今年は出店ハードルが高くなると予測しています。
JDも正面突破で出店が難しくなった場合、Tmallと同じく、JDの戦略に沿った大手メーカーや戦略的商材メーカー(例えば農村ECに向けた商品メーカーなど)が中心になる動きが加速していくでしょう。
しかし現在は、(第三のプラットフォームと呼ばれる事が増えた)Kaola(コアラ)やRED(小紅書)など新たなECモールが急激に伸びてきています。
この辺りの事から、2017年はこの辺りの中堅モールと中堅メーカーの組み合わせが非常に増えていく1年になると予想しています。
◎中国EC市場における売れ筋商品の変化
2015年に最低出生率を記録した中国ですが、すでに一人っ子政策から二人っ子政策に移行しています。
この動きを理由として「今後はベビー、マタニティ商材が伸びる」とするメディアや事業者がありますが、これは正確ではないと言えます。
中国ではすでに5000万人が不妊症に悩んでいると言われており(出典:日経ビジネス「出生率が世界最低だった2015年の中国 「不妊不育」の影、二人っ子政策も不発か」 )データから見ると単純にベビー・マタニティ商材が伸びるとは言い切れない訳です。
ただ、日本製のベビー・マタニティ商材は中国の越境EC市場において最も売れているカテゴリでもありますので、依然として市場規模が大きい事は間違いありません。
では、2017年に注目すべきカテゴリは何かと言うと…
「男性向けコンプレックス商材」と
「男性から女性へのプレゼントに適した商材」であると言えます。
実は、あまり知られていませんが、現在の中国は深刻なレベルで男女比率が崩れています。
2015年発表の時点で男性が3000万人以上余っており(出典:レコードチャイナ「中国のいびつな男女比、男性が3376万人多い」)、結婚適齢期と言える80年代生まれの構成比では女性100人に対して男性がおよそ130人。70年代生まれでは女性100人に対して男性がおよそ200人と、相当数の男性が結婚出来ない状況が見えてきます。
こういった男性余りの時代背景も受けて、今の中国ではほぼ毎月のように男性から女性にプレゼントを贈るイベントがあります。
日本では女性から男性に向かうバレンタインも、中国では男性が女性にプレゼントを贈る日です。ホワイトデーも、もちろんそうです。中国で男性は本当に大変です。
このような状況から見て、当社では「男性のモテ」を支える商材は今の中国においては非常に注目度が高いと予測しています。
また、今年はサプリメントを含めた食品類の販売許可について厳格化が進むと見られており、従来保険食品類の販売を行っていた中国のEC代理店が化粧品類販売に力を入れてくる可能性も強まっています。
このように日本とはまったく異なる環境の市場なのが中国でもあります。
私たちアイディールはこういった中国国内の生の情報を元に、あらゆるMade in JAPAN製品をどこで、どう、売るのかといった販売戦略立案から販路の開拓まで、ゼロから中国の市場を作るお手伝いをしております。
しかし当社はこれを受託として行うのではなく、ここまでの事をしながらも仕入れ、販売を行うという卸と小売りの機能を持った会社です。
本年もまだお会いしていない日本のメーカー様と数多くお会いし、様々なディスカッションをさせて頂ければ幸いでございます。
本年も変わらずご厚情賜りますようお願い申し上げます。