中国のEC市場における網紅(ワンホン)の影響力の大きさについて(前篇)
世間ではTaobaoやTmallを運営するアリババ社の2016年の独身の日(W11)セールの売上記録についてのニュースが多く見られますが、詳しくはまた後日書きたいと思います。
ここ最近、中国のEC市場において網紅(ワンホン)と呼ばれるインターネット上のインフルエンサーの話題が増えてきました。本日から2回に分けて、本件についてもまとめたいと思っています。
網紅とは、元々インターネット上で比較的多数のフォロワーに向かって情報発信をするKOL(Key Opinion Leader/ブロガーや日本で言う所のYoutuber)の中でも、最も発言の影響力が大きく、企業のプロモーションなどで非常に多額の投資が集まっている方たちの事を指します。
彼ら、彼女らは、元々テレビに出ていたスターではなく、そのほとんどが普通の大学生やOLだった中、中国のTwitterと呼ばれる微博(ウェイボー)や微信(WeChat)のモーメンツ(いわゆるLINEのタイムライン)や動画共有サイトなどで自身の才能や個性を発信する事で一躍有名人になり、大きな影響力を持つようになった背景があります。
先日のコラム(中国のEC市場は何故拡大しているの? )に投稿したようにマスメディアの情報を信用しない中国人の方はネットを使用したコミュニケーションツール(QQや微信、微博など)の発展と共に、身近な親族や友人・知人の情報を頼りにするようになりました。
その中で徐々に自分の感性に合う網紅たちの投稿と出会い、フォローし、その投稿に影響を受けるようになり、一部のKOLが「網紅」と呼ばれるほどの存在に成長してきた流れがあります。
「網紅」は英語では「Internet celebrity(インターネットセレブリティ)」と訳され、もはや一流スターと変わらない、むしろそれ以上の影響力だけでなく収入を得ているような方々が多数生まれています。
実際に、日本国内でも相当高額な基礎化粧品が網紅の投稿により、爆買い銘柄に入った実例や、アイディール自身も、とある商品を独自のKOLマーケティングによりゼロから市場を作った実例など成功例が数多く続いています。
商品の認知を広げるだけでなく実際に購買活動に繋がる流れが生まれる事を考えると、中国に向けた越境EC事業の中でも有効に利用が出来、むしろ積極的に取り組んでいかなければいけないのが当たり前の状況になりつつあります。
しかしこのような成功例が増えるに従い、このマーケティング手法の課題も見えてくるようになってきています。
次回はその辺りを深堀したコラムを投稿したいと思います。
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