市場が伸びている越境EC。その課題とは?その2
外国に住む方々に商品を販売する越境ECですが、国内に向けたECと比較すると様々な、そして特殊な課題があります。
当たり前の事ではありますが、商品の選定は対象国の選定とリンクしているべきで、そもそもその国でのニーズについてはきちんと調査し、対象国を選んでいく必要があります。
例えば中国では湯船に入る習慣がないため、入浴剤などについては文化形成からスタートしなければならず、やはり非常にコストも時間もかかると言わざるを得ません。
その上でアイディールが得意としている対象国は中国(台湾、香港含む)であるため、ここに絞った話をしていきたいと思います。
大きな課題としては3つあり、それは決済手段についてと配送方法(通関)について、そして言語のハードルについてです。
◎配送方法(通関)について
多くの越境EC事業者はEMSを使用していると思います。
直に事業に携わっていない方にはあまり知られていない事ですが、同じ国際航空便なのにDHLやFedexなどで小包を輸送すると一般貿易扱いになり、通関についても日本の輸出申告から始まり中国でも輸入申告が必要になってきます。
一方でEMSを利用した場合は簡易通関となり、税関への申告などが必要なくなります。
細かい話をすると、EMSの物品用ラベルの中に税関告知書が内包されており、これを元にして簡易通関される形になります。
あくまでこれは原則的な考え方でインボイスが必要になるケースもありますが、このように一般貿易とは異なるフローが適用されています。
関税については荷受人の負担となるため、中国側でその支払いを求められるケースもありますが、少なくとも日本側の事業者の負担にはならないため、多くの企業がこの方法を導入している状況になっています。
ただ、税関で関税の支払いを求められた場合、原則的には当然関税を支払えば商品の受け取りが出来るはずですが、実態としてはこれを税関側が認めないという不条理な事例も多々起きているのもまた事実です。
法律の範囲の中で、事業者によってはきちんとした適用フローで所轄官庁から承認を受けているケースもあり、外から見れば単純な輸送とは言っても、会社ごとにその方法が違うといった事も良く見られる事象でもあります。
まずはきちんと法律を理解した上で、各輸送事業者がどのようなフローをもってして、現在の輸送手段を選択しているのかを確認する事は非常に重要なことと言えます。
<関連コラム>