中国に向けた越境ECの現在の状況
◎小売市場と越境ECについて
日本の小売市場はいまだに50兆円以上の規模があり、基本的には国内の経済動向に左右されるためこの2~3年は回復傾向にあります。
そうは言いつつ少子高齢化を迎え、少しずつ形を変えていく事が必須となってきています。
特に昨年には、今後の小売市場における期待される領域として、シニア/インバウンド/越境ECの3つが挙げられるようになりましたが、2016年4月8日の中国の法改正以降急激に中国人インバウンドの「爆買い」が控えられるようになり、想像以上の速度で市場が変わってきています。
下記のデータの通り、中国人旅行客も来日時の行動が急速にモノ消費からコト消費に変化し、見方を変えればインバウンド収益の可能性の広がりを見せていると言えます。
◎今後の越境ECの取り組みについて
現在はインバウンド×爆買いに対する過度な期待を持つのではなく、一度日本に来て頂いた外国人旅行客が手に取った日本の製品を、帰国後にECを通じて継続的に購入して貰おうという動きが加速しています。
体験を継続的な関係性に昇華させていく事は、距離が開けば開くほど努力が求められる分野ではありますが、越境ECはまさにそれを実現させるための最適解である事は間違いないと考えられます。
特に2016年は越境EC元年と言われる事が増え、多数の事業者が参入し始めています。
外国人に向けた日本製品販売については越境ECが主流になっていくという事は裏を返すと競争がより激しくなっていくという事でもあります。今まではとりあえず日本製だからなんとなく売れていた、という状況から、事前に商品サンプリングを行ったり、販売時に付加価値をきちんとつけてあげるなど様々な施策が必要になってくるという事でもあります。
日本国内で売るという事でも、色々考えながらやられていますよね。同じだという事ですね。
つまり、今後はより「中国の市場」「中国の越境ECの状況」について知見の深い会社が商品ごとの個別マーケティングで売上を上げていくという状況が加速していくという事になります。